IN FRIENDSHIP · ISSUE 109
● 12 SEC「そのうち連絡する」。この予定に期限が入っていないことは、たいていの人が知っています。2015年の追跡研究は、進学期の若者を開始時点・9か月後・18か月後の3時点で測りました。参加30人、完走25人、追跡された相手は延べ1,291人。動いたのは片側だけです——家族への情緒的な親しさは上がり、友人への親しさは下がっています。
この号が扱うのは続け方のコツではなく、その数字が誰の、何の測定だったかです。「続ける意志」そのものを測った研究は、この号がたどった範囲にありません。測られていたのは、話した頻度、一緒に何かをした回数、最後の連絡からの経過時間、月数——どれも、記録できる量のほうです。
関係継続の意志と行動(Maintenance)は、大事に思う気持ちの別名ではなく、続けるために何を、どれだけしたか、として置かれています。測られてきたのは二系統——細っていく側(18か月の追跡・7年のパネル・通話記録・メタ分析)と、何が残ったかの側(19年後の追跡)。答えた人も測り方も別で、同じ人の中で比べた数字ではありません。

では、その量はどこまで測られているのか。まず測られたのは、この3つです。
0118か月で下がったのは、友人への親しさだった。2015年の追跡は、進学で生活がもっとも動く18か月を3時点で測っています(参加30人・完走25人・相手は延べ1,291人)。家族への親しさは上がり、友人への親しさは下がりました。低下が小さかったのは、多くの努力を注いだ関係です。内訳は、女性では話す頻度、男性では一緒に何かをする活動。ただし完走25人を二つに割った先の結果で、性別で自分のやることを決める根拠にはなりません。
02251人では、近い相手ほど日が浅かった。2011年の調査は女性251人に、挙げた相手それぞれについて最後に連絡してから何日経ったかを答えてもらっています。情緒的な近さが高い回答者ほど経過時間は短く、その対応は友人より血縁で強く出ました。著者らは、血縁を維持するコストは友人より低いと示唆します。ただし、連絡したから近いのか、近いから連絡しているのかを、この設計は分けられません。回答者は女性のみです。
0319年後に効いていたのは、月数のほうだった。1983年に測った親友45組・90人を、19年後の2002年にたずねた追跡(回答58人・追跡率64%)。もっとも強く予測したのは1983年時点の親しさの月数(r=.52——0なら関連なし、1に近いほど強い)、次が専攻の一致という単一の変数(r=.37)。分析に乗った37組で1987年の親密さを統制すると、2002年のばらつきの50.69%が説明されました(残りの内訳は示しません)。自己開示や身体的な接触といった表し方は19年後を予測せず、これは無関係だと示したものではありません。

数字そのものは動きません。動くのは、引かれていく途中のほうです。手がかりは3つ。
01「20代半ばが頂点」を、友人の数の話にしている。277件・のべ177,635人を統合した2013年のメタ分析。頂点の年齢(成人期初期・推定24.6歳)が推定されたのは知人まで含めた全体のネットワークで、友人ネットワークに「何歳が頂点」は示されていません。報告されているのは成人期を通じて減っていく向きのほう——年あたり b=-0.08(標準誤差0.01。負は減る向き)、10年でほぼ1人分。もっとも強く縮めていたのは転居(d=-1.263、95%信頼区間 -2.05〜-0.48。負は縮む向き)。統合値は、277件が一様だったという意味ではありません。
02「人数は変わっていない」を、同じ顔ぶれだと思っている。オランダで7年、同じ人たちを追いかけたパネル調査。打ち明ける相手や助けてくれる相手の人数はほとんど変わらず、顔ぶれは大きく入れ替わります。途切れる主な理由の一つは会う機会が失われること。一方2022年の解析は、644,170人の通話記録から296,051人・178,592本を取り出し3年前後を追い、いちばん内側の入れ替わりは年およそ1〜4%、17歳から21歳では速いと報告します。二つは同じものを測っていません——調査回答と、誰といつ話したかだけの通話記録です。動くのは内側の数人ではなく一つ外の層ではないか、は二本を並べたこの号の読み筋です。
03因子の名前を、明日の動作だと思っている。2004年の研究は、維持行動を4つの因子——肯定性・支援・開放性・相互作用——に整理し、維持行動は関係の段階と性別で異なり、親友どうしがもっとも多くとっていたと報告します。ただしこの号が確認できたのは抄録の範囲までで、各因子にどんな行動項目が入るかには届いていません。名前だけでは、明日やる動作は決まりません。「量との対応」まで確認できた動作は2つ——18か月の追跡で低下の小ささと結びついた、話す頻度と一緒に行う活動。しかも完走25人を性別で割った先の結果です。

全文まで読めたのは7点のうち4点。残る3点は抄録の範囲までで、その先は書きません。答えたのは、進学期の若者25人、女性251人、米国中西部の小さな私立大学で1983年に親友どうしだった90人(18〜25歳・大半が白人)のうち19年後に届いた58人、オランダの調査対象者、通話記録に残った利用者。日本で同じ手続きをやり直した記録は、たどった範囲に1件もありません。
測り方も揃っていません。親しさの評定、経過時間、19年後の質問紙、通話の記録、統合した数字——同じ「維持」という言葉が、別のものを指しています。どれも追跡と調査で、割り付けた実験ではありません。平均も割合も集団の話で、目の前の一つの関係がこれからどうなるかは教えてくれません。
18か月で下がったのは、友人への親しさ。
低下が小さかったのは、努力を多く注いだ関係。
だから次の3手も、研究が命じた順番ではありません。一人ぶんの一回を今日実行したとき何が起きるかを確かめた研究は、扱っていません。測られていたのが記録できる量だった——その一点から始める、ALIFEが提案する入口です。一回、実行すれば足ります。
TRY IT TODAY
- 01PICK
半年以上まともに連絡していない友人を、一人だけ思い浮かべる。誰にも見せないメモに、名前かイニシャルと、最後に連絡したのが何か月前かを書く。
- 02CHOOSE
話す(短い連絡を一通)か、一緒にする(短い予定を一つ提案する)か、どちらか一つを選ぶ。選び方は自由で、性別で決める課題ではありません。
- 03DO
今日のうちに一回だけ実行する。長文にしない。返信は成果に数えない。実行したことと、書いておいた月数を、そのまま残す。
関係継続の意志と行動は、気持ちにつけられた名前ではありません。確かめられたのは四つ。18か月・3時点の追跡(参加30人・完走25人・相手は延べ1,291人)で、家族への親しさが上がり友人への親しさが下がったこと。低下が小さかったのは多くの努力を注いだ関係だったこと。女性251人では近い相手ほど最後の連絡からの経過時間が短く、その対応は血縁で強かったこと。19年後をもっとも強く予測したのは1983年の親しさの月数(r=.52)で、自己開示や身体的な接触は予測しなかったこと。示されているのは友人ネットワークの頂点の年齢ではなく、成人期を通じて減っていく向きです。続ければ戻るとも、意志があれば保てるとも、研究は約束していません。今日残せるのは統合値ではなく、相手が一人と、選んだ一回と、最後に連絡してからの月数だけです。
SECOND LAYER · FULL SYLLABUS関係継続の意志と行動を、もっと深く学ぶ。→HOW TO READ THE NUMBERS数字の読み方+
この号に出てくる統計の言葉です。数値は原典のまま、意味だけをほどいています。
- 相関係数 r
- 2つのものが連動する強さ。−1〜+1で、0は関連なし。一般的な目安では ±.10=弱い、±.30=中くらい、±.50=強い関連とされます。関連があっても、原因と結果の関係とは限りません。
- 効果量 d・g
- 2つのグループの平均の差を、ばらつきの大きさで割った値。一般的な目安では 0.2=小、0.5=中、0.8=大。g は d を小規模研究向けに補正したものです。
- 95%信頼区間
- 推定値の「ばらつきを見込んだ幅」。同じ研究を何度もやり直したら、結果の多くがこの幅に収まると期待できます。幅が0(差なし)をまたぐときは、明確な差とは言い切れません。
- メタ分析
- 同じテーマの研究をたくさん集めて統合し、平均的な効き目を推定する方法。1本の研究より安定しますが、集めた研究の質と偏りに左右されます。
