IN CUSTOMER · ISSUE 246
● 12 SEC見込み客の育成の話には、たいてい先に一組の割合が付いてきます。営業へ渡せる見込み客が、これだけ多く、これだけ安く作れる——増える件数と、下がる単価。この記事は、その二つの値を書きません。
出どころは、五つの経路で当たった記録が残っています——数値と発行元名の完全一致検索から、界面の査読研究への迂回まで。五つとも、一次情報には行き着きませんでした。二次の記事が挙げる調査会社の社名も書きません。
「存在しない」ではなく、「当たった範囲では行き着かなかった」です。行き着けていない数字を、否定するためであっても刷り直さないためです。代わりに読めたものを並べます。六本のうち全文まで読めたのは1本、それも作業論文の版。残る5件は抄録までです。
数字が追えないときにできることが、一つ。数えている対象のほうを見ることです。全文まで読めた1本——2013年の作業論文〔査読と刊行の前に、研究機関が自分の名前で配る論文〕——には、段の定義が四つ並びます。候補の母集団、決めた特徴を満たす相手、資格化されて連絡する相手、そして客になった者。
問題は、その並び順です。"These divisions vary from study to study, as do the definitions they use to characterize each part."(区分は研究ごとに異なり、それぞれの部分を特徴づけるために使う定義もまた異なる)。同じ二つの言葉が、論文によって逆の順で並んでいます。この先——だから件数どうしは比べにくい——は、この号の読み筋です。

材料は六本。1992年の記事、2005年・2007年・2008年の論文、2013年に二本。測っているのは三本で、残りは命題の提示と枠組みの提案でした。
012013年の70%は推定値ではなく、定義の節。続く一文は著者の推測。抄録の冒頭は"the 70% of leads generated by marketing departments that sales representatives do not pursue"(マーケティング部門が作った見込み客のうち営業担当が追いかけない70%)という同格の節で、どの調査に由来するかは印字されていません。測られたのは四社461人。経験が増すほど追跡と量への反応は弱まり資格化の質への反応は強まる、成績が上がるほど量への反応は強まるが追跡への反応は弱まる、と報告されました。
022008年は、欧州連合圏337社から五つの原型を特定した。業種横断の調査で五つの経験的な原型を特定し、役割と特徴は大きく異なると書いています。原型の名称は抄録にありません。もっとも成功していた配置は、構造上のつながりの強さと市場知識の広さで"are characterized by"(特徴づけられる)。その形にすれば成功する、ではありません。分類であって、統合値でもありません。
032007年の五つの先行要因に、段の数も点数の閾値もない。冒頭の"Prior research proposes"は先行研究の命題です。連携と業績のあいだに直接的で正の関係を見出したと報告し、上層部の肯定的な態度、部門間の対立の減少、意思疎通の改善、組織的な学習の確立、有効な市場情報の仕組みの五つを挙げました。標本の大きさも国も業種も、この抄録には印字されていません。

残りの三本。1992年の記事は、発行元の書誌では実務家向けの部門欄を冠して印字され、表題は「見込み客の探索:この古い課題への新しい視点」。1992年の時点で、すでに「古い課題」です。2005年の論文は、統合が業績にもっとも大きく効く条件を同定する命題の集合で締めくくられます。命題であって、効果の推定値ではありません。
もう一本の2013年は、先ほどの作業論文。提案は三段階の手続きで、抄録の最後は「予備的な試験は模型の質の良さを示している」。著者自身も——"it was not possible to run a full, real-life test of the algorithm."(完全な実地の試験を行うことはできなかった)。参照した企業データベースは米国の1,600万社超、試験に協力したのは米国の通信サービス業の1社(1997年創業)で、現行顧客389社のうち107社が入力に選ばれました。
01「あの一組の割合には、出どころがある」。五つの経路のうち四つは空振り。到達したのは査読研究への迂回だけで、そこにあったのは類型と、命題と、枠組みでした。悉皆の調査ではありません。目標として置くなら、誰の何をどう測った数字か言えないまま置いている——そう分かっておく話です。
02「資格化された件数は、そのまま成果になる」。件数は数えれば出ます。それがそのまま商いの変化だとは、どこにも書かれていません。書かれているのは、区分も定義も研究ごとに異なること、選別が恣意的な規則で行われること、そして"This qualification is often driven by gut feeling or self-claimed competence."(資格化はしばしば、勘や、自称の力量によって駆動される)。「同じ組織でも期によって基準が動く」とは書きません——どの資料にも無いからです。
03「もっと渡すか、もっと追跡すれば追いかけられる」。四社461人で報告されたのは、同じ働きかけへの反応の強さが相手によって違う向きに動くこと。測られたのは反応の強さで、売上でも成約でもありません。これは観察で、無作為に条件へ割り付けた実験ではないので、「追跡を増やせば追いかけるようになる」とは言えません。

全文まで読めたのは六本のうち1本。読めていないものについては書きません。測っているのは四社461人の営業担当、欧州連合圏337社、標本の記述が抄録に無い連携の調査。いずれも企業間の取引で、営業とマーケティングが別部門としてある規模の組織です。一人で回している商いも、非営利も入っていません。
無作為な割り付けは、到達した範囲に1つもありません。抄録の5本を「無作為」「実験」「対照群」「試験」で走査すると全語0件。全文の1本の「無作為」も、精度の下限、データの分割、任意の条件の企業群、10社を「現行顧客」に見立てる場面でした。上位356件のうち56件が「良い」と資格化され、転換率は15.73%(56÷356・内訳は56件と300件)。1社1回の実測で、「平均より高い」の比較相手は対照群ではなく、別の著者が2004年の文献に載せた平均値——その値は書きません。
見込み客の探索は、対人販売の過程の基本的な一段である——1992年の記事はそう書き出し、続けます。
しかし、営業の組織のあいだには多種多様なやり方が存在し、要素と関係を表す用語には、相当の不一致がある。
次の3手も、研究が命じた順番ではありません。これは売り方の指南でも、企業への助言でもありません。読者は数字を受け取る側であり、同時に、どこかの画面で数えられている側でもあります。
TRY IT TODAY
- 01COPY
この一週間に届いた売り込みや案内を、三つだけ書き写す。一つにつき一行、差出人の実名も良し悪しも書きません。
- 02SORT
自分がどの段で数えられたと思うかを、一語だけ書く——「見た」「押した」「名前を書いた」「返事をした」「何もしていない」。
- 03NOTE
同じ語の個数を数え、同じ言い方が別の段を指していないかを一行だけ書く。書けなければ「書けない」と書く。
1992年に用語の不一致、2005年に命題の集合、2007年に五つの先行要因、2008年に337社から五つの原型、2013年に四社461人の報告と三段階の枠組み。この21年に積まれたのは、類型と、命題と、枠組みでした。「この基準なら転換率が上がる」という形の効果の推定は、当たった範囲では見つかりません。
確かめられたのは、一組の割合の一次情報に行き着かなかったこと、70%が定義の節として置かれ出どころが印字されていなかったこと、四社461人の報告が観察だったこと、著者の重なりは六本に1件もなく、重なっていたのは掲載誌(一誌に三本、別の一誌に二本)だったことです。二つの数字は同じ画面に並び、同じ言葉で呼ばれている——というのが、この号の読み筋です。今日残せるのは、三行と、一語ずつの分類と、個数だけです。
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